昭和歌謡大全集
『昭和歌謡大全集』 村上龍 幻冬舎文庫
以前集計したランキングでは14位、そこそこの評価。この作品の登場人物が近作「半島を出よ」にも出てくる。先に「半島~」を読んでしまった。どちらも未読の場合は、こちらを先に読んだほうがいい。タイトルのイメージと内容はまったくそぐわない。とにかくめちゃくちゃ。ストーリーがめちゃくちゃというよりも、文章というか表現が1つ1つめちゃくちゃ。このパワー、イマジネーションには圧倒される。プロフェッショナルだなぁと思う。
あとがきから抜粋
何かと引き換えに、退屈を選んでしまった人間達なんか小説にしてもしょうがない、といつも思っていたのだが、いつだったか調布で暗い目の青年が買いものをしているおばさんを突然つきとばすのを見て、この「昭和歌謡大全集」を思いついた。
まさにそんな感じ。
文中からも抜粋
「・・・、おばさんを殺すというのが気に入った、よく言うだろう、人類が滅んだ後に残るのはゴキブリだって、それは違う、おばさんだ」
個人的にはたいへん気に入ったけど、あんまり人には薦められない。
評価:9点
ただし、お薦め度:7点
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