リア王
『リア王』 シェイクスピア 福田恒存訳 新潮文庫
高村薫の「新リア王」を読んだので、せっかくの機会だから本家本元を読んでみた。初シェイクスピア。
シェイクスピア四大悲劇のうちの一つ。ちなみに「ハムレット」「マクベス」「オセロー」と「リア王」。「ロミオとジュリエット」は四大・・には入らないみたい。
予想外におもしろかった。
罵詈雑言がすさまじかった。
四大・・に数えられるように、まさに悲劇だった。
以下、解説から抜粋
シェイクスピア悲劇の多くについてよく言われる「性格悲劇」・・・。「性格は運命なり」という一句に要約される性格悲劇の本質は、「ロミオとジュリエット」の主人公たちのように外的な運命に左右されるものでなく、あくまでも自分のもって生まれた性格がそのまま主人公自身を破滅に陥れる宿命となる、・・・。
読んでいて思い出されたのは高村薫の「新リア王」ではなく、黒澤明の「乱」。「乱」はこの「リア王」をもとにして作られている。仲代達也とピーターのコンビが思い出された。この「乱」は黒澤ファンにとっても賛否両論あるが、私はけっこう好き。
高村薫の狙いはシェイクスピアの狙いとは異なる所にあるのだろうけれども、シェイクスピアにはおよばんなあ、と思った。下敷きがあれば下敷きにはおよばないのはあたりまえか。
評価:10点
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