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2007年9月14日 (金)

生物と無生物のあいだ

Photo 『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一

     講談社現代新書 07年5月刊

ベストセラーになっている。理由がわからない。分子生物学についてわかりやすく書いてるからか?生物系にあまり接する機会のない人がそのおもしろさの一端を垣間見て推しているのか?私は生物系出身なので、特に新しい感動というものはなく、興味がないことはないのでおもしろくないわけではないが、えらく評判がいいので期待してしまったからか、期待外れの感あり。

以下は知らなかったことなので個人的な抜書きメモ。
トリビアの泉、へえ~。

○野口英世について
彼の業績で今日意味のあるものはほとんどない。・・・いまだにステレオタイプな偉人伝説が半ば神話化されている。これがとうとう大手を振って、お札の肖像画にまで祭り上げられるというのは考えてみればとても奇妙なことである。

○ウィルスを、混じり物がない純粋な状態にまで精製し、特殊な条件で濃縮すると、「結晶化」することができる。

○博士号とかけて足の裏についた米粒と解く
 そのこころはとらないとけったくそ悪いが、とっても喰えない

#大学ではそうかもしれないが、会社に入ってからとると価値がある気がする。少なくともうちの会社では仕事をしながら博士号を取得すると評価がいいようだ。反面、学部しか出ていないような者は研究職ではなかなかつらい。私がそう、けっこういっぱいいっぱい。。

○パスツールの言葉
Chance favors the prepared minds. チャンスは、準備された心に降り立つ。

#DNAの二重らせん構造発見のエピソードのところで紹介されていた。二十世紀最大の発見、二重らせんの話はいろいろな書物で書かれているが何度読んでもおもしろい。

○√n法則
平均から離れて、例外的なふるまいをする粒子の頻度は、平方根の法則(√n法則)と呼ばれるものにしたがう。つまり、100個の粒子があれば、そのうちおよそ√100、すなわち10個程度の粒子は、平均から外れたふるまいをしていることが見出される。これは純粋に統計学から導かれることである。/仮に、たった100個の原子から成り立つ生命体を考えてみよう。この生命体は、どのような生命活動を行うにせよ、原子のうち常に√100、すなわち10個程度の粒子は、その活動から外れることを覚悟しなくてはならない。全体が100で、例外が10ならば、生命は常に10%の誤差率で不正確さをこうむることになる。これは高度な秩序を要求される生命活動において文字通り致命的な精度となるだろう。/では、生命体が100万個の原子から構成されているとすればどうだろうか。平均から外れる粒子数は√100万、すなわち1000となる。すると誤差率は、1000/100万=0.1%となり、格段に下がる。実際の生命活動では、100万どころかその何億倍もの原子と分子が参画している。・・・/生命現象に参加する粒子が少なければ、平均的なふるまいから外れる粒子の寄与、つまり誤差率が高くなる。粒子の数が増えれば増えるほど平方根の法則によって誤差率は急激に低下させうる。

 
評価:7点

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コメント

どうも、ご無沙汰してます。
この本私は今読んでるところです。
生物系ではない自分としてはなかなか楽しく読めてます。

さて、読書家のうじーえさんに私の最近のオススメの本を紹介します。

『「世界征服」は可能か?』  岡田 斗司夫

とってもおバカな本で軽~く読めます。

投稿: 山野 | 2007年9月14日 (金) 00時51分

専門外の人には目新しくて受けがいいんやろうねえ。生物系でも過去に10点つけたのは「精神と物質」利根川進と立花隆の対談。ちょっと難しいかもしれませんが、かなりおもしろかったです。

じゃあ、世界征服に向けてがんばってください。

投稿: うじーえ | 2007年9月14日 (金) 00時58分

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