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2008年3月13日 (木)

虫眼とアニ眼

Photo 『虫眼とアニ眼』 養老孟司 宮崎駿

新潮文庫 08年2月刊 (単行本は02年刊)

養老孟司は好きじゃない。「バカの壁」なんて何にも印象に残っていない。ちなみに過去の読書ログを見ると6点付けてた。もっと低い印象だったが。。

宮崎駿は好き。空飛ぶ人でこの人を嫌いな人はいないんじゃないだろうか。

ということで、宮崎駿にひかれて読んだ。
「もののけ姫」後の対談と「千と千尋の神隠し」後の対談。

以下、いつものように抜書き。#は私の感想。

 
蝶は飛ぶときに、好き勝手に飛んでいるわけではなくて、「蝶道」と呼ばれる道に従ってヒラヒラ飛んでいるんですね。以前はぼくの家の前にその蝶道があったんです。ところが家の裏に建て増しをしたら、その蝶道が消えてしまった。つまり蝶という生き物は、かなりデリケートに周囲の環境を把握していると思ったんです。その後ベトナムに昆虫採集に行って一番驚いたのは、今度はその蝶道がハッキリ見えるんです。つまりあまりに蝶が多いものだから、その蝶道に沿って白い線になっている。

#さすが虫眼。虫は好きなのでこういう話はついチェックしてしまう。

 
もうそろそろ考え方を変えてですね、永年勤続じゃなくて仕事の間に休みを長くとるようにしたらどうでしょうね。週休二日は働く上ではかえってつらいんです。二日なら木曜と日曜を休みにしたほうがいい。その上で、10年たったら半年は休むとか、30年たったら1年休むとか、そういうのが常識の世の中にならないかなって思うんです。60歳から突然趣味を始めるなんて無理ですよ。せいぜい植物や野仏の写真撮って歩くとかね、まあツマラナイとは言いませんよ、本心はそう思っていても(笑)。そうだとしてももっと前から始めなきゃ。

#休みのとり方に関してはほんとに何とかならんかと思う。よく休んでる奴が何を言うかと思われるだろうが、もっとフレキシブルになってほしい。うちの会社ではこの春闘で夏休みの13~16が固定になってしまった。時代に逆行してるやろ、しかも組合からの提案、、理解できんわ。。

 
パヒューマーという職業的に匂いをかぎ分ける人たちがいるんですけれど、その人に赤ん坊がいて、田舎に帰ったとき、寝ている赤ん坊のすぐそばをでっかいムカデが歩いていた。そうしたら、その瞬間にパッと自分の体臭が臭った。/自分の体臭が瞬時に変わったのがわかったと。/・・・自分の恐怖でゲジゲジがパッと動きを止めたと言うんですね。向こうにもなんかヤバイということが届いた。

#匂いはけっこう奥深いと思う。閾値以下の濃度でも無意識下では検知してるとか、研究したら面白そう。

 
―「千と千尋の神隠し」は10歳の子どもの視点で語られていますね。
たまたま、目の前に10歳ぐらいの子どもたちがいて、ぼくはこの子たちのために映画を作っていないなって思ったから、作ろうと思ったんですね。/・・・/この子たちのためにアニメーションをと思っても、その前に、気の毒だなあ、苦労しそうだなあって思わざるをえない。でも、やはりその子たちが生まれてきたことを「間違っていました」とは言えないでしょう。/・・・/生まれてきてよかったねって言おう、言えなければ映画は作らない。自分が踏みとどまるのはその一点でした。そこで映画を作るしかないと。

#うちの長男坊も10歳、もう1回見たくなってきた。

 
知的所有権などというものは、特殊な時代の、特殊な世界の産物である。独創性とか、個性とかいうが、真の独創なら、他人はそれを理解できない。他人に理解できるなら、それはべつに独創ではない。いずれだれかが考えるはずのこと、それをたかだか最初に思いついたというだけのことだからである。個性もまた同じ。まったく個性的ということは、他人の理解を超越することである。

#いかにも哲学者って感じ。こういう物言いが好きじゃない。

 
評価:7点

 

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