『<勝負脳>の鍛え方』 林 成之
講談社現代新書 06年10月刊
帯にこう書かれている。
北島康介絶賛!スポーツにビジネスに勉強に、勝てない脳を劇的に変える!
ほんまかいな。ということで読んでみた。
以下、抜書き。#は感想。
人間が命がけで集中すると、自分の立場を忘れ、人格まで変えて目的を達成しようとするのだと思います。このような状態にいながら緊張するということは、まだ自分の立場や評価を考えていて、集中しきれていないのだともいえるでしょう。緊張するのは、集中していないからなのです!
#よく緊張してしまうが、集中していないからというのは、目から鱗だ。
人間が行動を起こして目的を達成するためには、次の三つの作業が必要となります。
①目的と目標を明確にする。
②目標達成の具体的な方法を明らかにする。
③目的を達成するまで、その実行を中止しない。
こんな簡単なことならいわれなくてもわかっている、と思われるかもしれません。しかし私たちは日常、こんな簡単なことさえできない生き方をしているのです。
・・・
とくに重要なのは、目的と目標をしっかり区別して考えることです。そうすることで、自分が最終的に望んでいる目的とは何なのか、そこに到達するために必要な目標とは何なのかが、より明確になってくるはずです。この目的と目標の区別が明確でないと、それらを達成するための具体策が的確なものにならない、ということが起きます。
#まさしく仕事といっしょや。この目的と目標の区別はけっこう難しい。今だにごっちゃになることがある。
最初から百パーセント集中せよ
試合開始の直後こそ、・・・大切な勝負どきなのです。そこで集中できず、あとから徐々にペースを上げていこうなどという考え方は、平凡なレベルの相手には通用しても、一流の相手には通用しません。・・・試合が始まったときにはすでに百パーセント集中できている状態になれるようふだんから練習していなければ、強い勝負脳はできないのです。
#足尾での初日、まさしく集中が不十分だった。まさかぶっ飛ぶとは思わんかった。
自分より弱いと思っていた相手がこんなに強かった、自分は間違っていた、もうだめだ、と思った瞬間、心と連動する・・・神経群がダメージを受け、脳が著しく疲労すると同時に運動機能が極端に低下する・・・。・・・運動能力にもっとも影響を与える臓器は脳であり、試合中にその疲労が限界に達することは致命的です。
#駆け引きを必要とする場面ではかなり有効と思う。両者の立場での対応を用意しておく必要がある。
話し相手がいない競技中でも、・・・脳の疲労をとるよい方法があるのです。・・・/答えはシドニーオリンピック女子マラソンで優勝した高橋尚子選手の、ゴール直後のコメントにあります。/「楽しい42キロでした。まわりの景色を楽しんで、友だちの顔を思い浮かべて楽しい会話をしながら走っていました」/競技中でも、好きな友だちを思い浮かべながら、架空の楽しい会話をすることで脳の疲労をとることができるのです。
#妄想もOKか?
いったん高まったテンションを勝負の最中に「少し静める」ことは、闘争心が消え、集中力が低下し、勝負に対する執着心も低下することなのです。強すぎず弱すぎず適度に心を高める、などという方法では試合に勝てません。勝負の最中に交感神経の機能を高めることは、絶対に必要なのです。/リラックスの意味を取り違えてはなりません。試合中に「リラックスしろ」とわけのわからない指示を出すのは、脳や体に「勝たなくていいよ」といっているようなものなのです。
#この考え方はいい。こういう姿勢は忘れていた気がする。
2006年のサッカー・ワールドカップに出場したブラジル代表チームの話です。/この大会でブラジル代表は「史上最強チーム」との評判をほしいままにし、メディアも優勝して当然と書きたてるなかで大会に臨みました。しかし、結果は準決勝で敗退と、決勝にも進めず多くの期待を裏切ってしまったのでした。このブラジル代表チームに大会期間中、ずっと密着取材していたあるジャーナリストはこういったそうです。/「彼らは、まったくいつもの彼らではなかった。練習中、常に絶えなかった笑い声も冗談も消え、重圧のためにサッカーを楽しむ気持ちを忘れてしまったように見えた」/どの国よりもサッカーを楽しむことを大切にしているブラジル代表チームにして、絶対に優勝というプレッシャーがかかるとこうなってしまうのです。
#いかに楽しんでるか、大事やね。たまに忘れる。
いっぱい抜書きしたけど、期待したほどではなかった。
評価:7点
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