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2008年12月29日 (月)

決断力

Photo 『決断力』 羽生善治

  角川oneテーマ21 05年11月刊

3連勝して永世7冠に王手をかけた後4連敗
永世竜王はおあずけに。やるな渡辺初代永世竜王。

さて、本の内容。
いつものように抜書き、#は感想。

相手を弱いと思えば、不利になっても、いつか相手は間違えるだろうとの希望を持って粘る気になれるし、有利になれば、やっぱり相手は下手だと、伸び伸び指せる。/かつて、大山康晴先生は18期、中原誠先生は15期と、名人として棋界に君臨した。プロ棋士の間では、技術的にも、実力においてもほとんど差はない。こんなにも勝敗が偏るのは仲間の信用が大きな要因になるからだ。極端にいえば、格が上の、勝つべき者が勝つからだ。/将棋だけに限らない。ビジネスや、広く人間関係においても、気持ちの差は大きいのではないだろうか。同じ物事を進めるにも、Aがやるとスムーズにいくのに、Bがやるとうまくいかないことがある。AとBの仲間の格付けや、信用の後押しの違いが大きいはずだ。そのためにも、日頃から実力を磨き、周りからの信用を勝ち取ることは、物事を推し進めるために大切なことだと考えている。

#気持で負けてはいけない。練習においても強くあらなければならない。ということやな。

 
直感力は、それまでにいろいろ経験し、培ってきたことが脳の無意識の領域に詰まっており、それが浮かび上がってくるものだ。まったく偶然に、何もないところからパッと思い浮かぶものではない。たくさんの対局をし、「いい結果だった」「悪い結果だった」などの経験の積み重ねの中で、「こういうケースの場合はこう対応したほうがいい」という無意識の流れに沿って浮かび上がってくるものだと思っている。

#何事もしかり。経験は重要。その経験を活かすことができるかどうかは人によるが、経験しなければ話にならない。ハンググライディングが速く上手くなりたいなら、いろんなエリアでいろんな条件で飛ぶこと、というのが私の持論だが、いろんなエリアで、というところを経験値の低いフライヤーにはもっとトライしてもらいたい。

 
私は、集中力の基盤になるのは根気であり、その根気を支えるためには体力が必要だと思っている。対局中は体はほとんど使わないが、勝負を急いでしまうと、いい結果は得られない。体力がないと苛立ちに負けて、考える力はまだ残っているのに、結論を急ぎたがり、最後まで集中して頑張り切れない。つまり、疲れてきても根気よく考えられることが、将棋を指すうえでの体力なのである。

#同感。根気は重要。まあ1時間を切るような早漏タスクには必要ないかも。

 
今は、周りに流されやすい時代だ。情報の量がふえ過ぎ、それへの依存度がどうしても高くなってしまう。高くなると、イメージを思い浮かべたり、ものを創るといった力が弱まってしまいがちだ。そんな中で、自分なりのスタイルや信念を持つことが、非常に大事になってきているのではないだろうか。それがないと根無し草と同じ、流されるだけになる。自分なりの信念やスタイルを持つことは、物事を推し進め、深めていくためのキーなのだ。

#何かを調べようとするときに、情報に振り回されないように留意することは重要で、情報の取捨選択のためにあらかじめ自分なりの基準を設ける等の準備をした上で検索をかけて一つ一つ見ていかないとすぐに頭がパンクする。最近はネットで検索かけても、宣伝関係のものが引っ掛かってくるのが多過ぎると思う。検索力はけっこう重要かも。

 
一人で考えると、誰でもひとりよがりとか自分の考えに固執してしまう部分がある。何人かの人と共同で検討すると、理解の度合いが二倍というよりも、二乗、三乗と早く進んでいくのは確かだ。だからといって、それに全面的に頼ってしまうと、自分の力として勝負の場では生かせないだろう。/基本は、自分の力で一から考え、自分で結論を出す。それが必要不可欠であり、前に進む力もそこからしか生まれないと、私は考えている。

#他機をダミーにする。先を走って先に上げる。そのバランスが難しいところでありおもしろいところである。だが、あくまでも究極の理想はトップでスタートを切ってトップでゴールすること。今の力ではちょっと遠い。ただ、雲底に付けながらスタートを遅らせるようなことは理想に反するし、やらないようにしている。男らしくない。

 
以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。/・・・/やっても、やっても結果が出ないからと諦めてしまうと、そこからの進歩は絶対にない。周りのトップ棋士たちを見ても、目に見えて進歩はしていないが、少しでも前に進む意欲を持ち続けている人は、たとえ人より時間がかかっても、いい結果を残しているのである。/・・・/どの世界においても若い人たちが嫌になる気持ちは理解はできる。周りの全員が同じことをやろうとしたら、努力が報われる確率は低くなってしまう。今の時代の大変なところだ。何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。/・・・/ペースを落としてでも続けることだ。無理やり詰め込んだり、「絶対にやらなきゃ」というのではなく、一回、一回の集中力や速度、費やす時間などを落としても、毎日、少しずつ続けることが大切だ。無理をして途中でやめてしまうくらいなら、「牛歩の歩み」にギアチェンジしたほうがいいと思っている。

#英語の勉強なんてすぐやめてしまう。耳が痛い。

 
実力と結果で成り立っているのがプロの制度である。プロらしさとは何か?と問われれば、私は、明らかにアマチュアとは違う特別なものを持っており、その力を、瞬間的ではなく持続できることだと思っている。私が大事にしているのは、年間を通しての成績である。

#もちろん一戦一戦、全力投球ではあるだろうけど。

 
評価:8点

 

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