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2009年3月 6日 (金)

チェ・ゲバラ伝

Photo 『チェ・ゲバラ伝』 三好徹

  原書房 01年刊

ちょっと前に映画が相次いで2本公開され(今も一部では公開中)、本屋ではチェ・ゲバラコーナーができていたりして、1冊読んでみた。

チェ・ゲバラについてはまったく予備知識なく、キューバ革命に関係あることくらいしか知らなかったので勉強になった。中南米の地図なんてこれまであんまり見たことなかったが、今回なんとなく国の位置関係がわかったりした。

うちの奥さんが映画「チェ 39歳 別れの手紙」を観た感想として、淡々と描かれていた、淡々と追い詰められていた、と言っていたが、この本も同じような感じ。チェ・ゲバラの人生が淡々と綴られていて特に感動することもなかったが、それはそれで「~伝」という感じでよかった。

私は映画を観ていないので2本とも観たくなった。

 
以下、メモ的抜書き。

 
ラテン・アメリカにはおきまりの歴史、つまりスペイン人が侵入してき、植民地化し、やがては本国から独立し、さらにその内部では血の抗争がくりかえされ、暴力によるクーデターの連続という歴史が、・・・

 
ラテン・アメリカの共産党の幹部のなかには、収奪されている民衆のために戦っているものは、むしろ少なく、権力が欲しいために共産主義者になっている人間の方が多いかもしれない。いいかえれば、時の権力者と対立しているために生命の危険を感じ、そして保身のために組織で守ってくれる共産党に身を投じているにすぎず、本質的には権力が欲しいだけのものが少なくないのだ。

 
かれは医師からゲリラ戦士になり、ゲリラ戦士から革命家へと昇華して行ったが、いついかなる時でも、読書だけは怠らなかった。日記をつけることと本を読むこととは、かれの終世一貫した習慣であった。

 
現在でも、キューバは日本から農、工業の機械その他を買いたがっているが、日本はアメリカに義理立てして、キューバの欲しているものはほとんど何も売っていない。イギリスもフランスもカナダもどしどし売っているのに、日本は冷淡そのものである。

 
ラテン・アメリカ気質の何たるかを説明するのはきわめて難しいが、それを承知でいえば、誇りと貪欲、そして時間に対する感覚の欠如がその一つにあげられるだろう。かの地においては、何かが予定どおりに運ばれることは奇蹟といってよく、ほとんどあり得ないのだ。

 
チェの日記は、盟友カストロがその「必要な序文」のなかでふれているように、きわめて丹念なものであった。かれは、余分な感情をまじえて書くことはしなかった。記載するに足ると思ったことだけを、抑えた筆致で書いている。

 
われわれ人類は多くの革命家をもったが、かれを除くすべての革命家は、いったん革命が成就すると、二度と兵士になって銃をとることはしなかった。むしろ、その多くは自己の権力を守るために汲々とした。独りチェのみが、すべてを投げうって、一介の兵士に戻り、新たな戦いに身を投じた。この稀有の生き方をみるだけで、多くの言葉は不要であるだろう。

 
評価:8点

 

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