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2010年7月 5日 (月)

カンブリア宮殿4

Photo 『カンブリア宮殿 村上龍×経済人4
  新時代の経営:景気回復に依存しない』

 日本経済新聞出版社 09年12月刊

TV番組を本にしたもの。
「・・・1」の紹介は→これ
「・・・2」の紹介は→これ
「・・・3」の紹介は→これ
この本に収録されたのは以下の24人。

鈴木修―スズキ
坂根正弘―コマツ
永守重信―日本電産
塚本勲―加賀電子
利島康司―安川電機
山下俊史―日本生活協同組合連合会
中井政嗣―千房
大東隆行―王将フードサービス
藤田和芳―大地を守る会
住谷栄之資―キッズシティージャパン
漆紫穂子―品川女子学院
松井利夫―アルプス技研
中村繁夫―アドバンスト マテリアル ジャパン
秋元久雄―平成建設
岡本太一―鍋屋バイテック会社
堀之内九一郎―生活創庫
若林克彦―ハードロック工業
速水亨―速水林業
横石知二―いろどり
中村俊郎―中村ブレイス
大山泰弘―日本理化学工業
嶋崎秀樹―トップリバー
サファイア・ミニー―ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ
平本清―メガネ21

 
以下、抜書き。#は私のコメント。

○永守氏(日本電産)
やはり大事なのは、大きな夢を持って、自分の気持ちを昂ぶらせるというか、自分で自分を動機づけるということなのです。他人、例えば親とか上司、友人から動機づけしてもらわないと元気が出ない人が多いのですが、自分で自分を動機づけできれば、これは非常に強いですよ。

#モチベーションの上がらない仕事をしないといけないときに、いかに自分でモチベーションを上げるか、これはサラリーマンによくある課題なのでは。

IQ的なもの、頭がいいとか、立派な大学を出ているとか、そういうことはそんなに大きな差ではありません。多くの社員を見ていても、天才はちょっと別にして、人の能力の差なんて、秀才までいれても最高5倍でしょう。普通は2倍くらいですよ。しかし、やる気いわゆるEQは、百倍の差があるんですよ。・・・頭が良くないとか、能力がないとか、レスポンスが遅いとか、そういうことによって「君はいらない」とは言ってはならないと思っています。怠けていることについても、だいたい怠けていてやる気がない人というのは、何かはっきりとした要因があるのです。それはほとんどの場合、経営者にあります。社員が一生懸命働かない会社の要因は、8割は経営者にあります。残り全部を足しても2割です。だから社員のクビを切る必要はないのです。本来なら辞めていかなければならないのは経営者です。

企業にはいろいろな社会貢献がありますが、私は雇用が企業にとって最大の社会貢献だと思っています。人を大勢切って会社を良くしても、あまり価値がない。だからリストラはしたくないのです。雇用は日本だけではないのですよ。中国やベトナムといった国に行くと、働きたいという方がいっぱいいます。さらにこれからはインド、将来はアフリカと、働きたくても、働く場所がないという国にどんどん工場を作っていきたい。社員が働く場所を得て、給料を貰って、それによってその国が栄えていくというのは、最大の社会貢献ではないかと思っています。

#えらい経営者だ。

 
○塚本氏(加賀電子:電子部品商社)
(村上氏:取引先の人たちからすごく可愛がられたそうですね。どういうところが気に入られたのでしょう。)
それは家庭環境からきているものではないかと思います。そういう意味ではお袋、親父に感謝しなければいけない。・・・兄弟仲良くしなさい、友達と仲良くしなさい、先輩を大事にしなさい、親孝行をしなさいという教育を子供の頃から受けてきました。ですからどんなご年配のお客様とお目にかかっても大先輩だと思うし、もちろん教えていただくこともたくさんある。そういうことをこちらが思っているか、思っていないかの違いだと思うんです。

#子を持つ親として見習わないと。

 
○住谷氏(キッズシティージャパン)
(解説:60歳を機に第一線を退いた住谷は、2人の孫と一緒に海外旅行に出かけた。行った先はメキシコ。子どもたちに人気の施設があるというので訪ねてみた。それがキッザニアだった。キッザニアは、発案者がおもちゃメーカーの関係者だったかもしれないが、運営するKZM社は完全なベンチャー企業。つまり1999年、メキシコの会社がはじめた子どもが職業体験できるテーマパークだ。)

知らない人とでも、いろいろな会話を弾ませて、意見を交換して、そして相手のことも理解できるようになるのは、やはり子ども時代の経験が大きい。特に日本人は社交性がないと言われている。いろいろな人と交流することが、大事。

#子を持つ親として気にかけないと。キッザニアも一回行っとかな。

 
○漆氏(品川女子学院)
よく親御さんが「うちの子はやる気がなくて」とか「勉強しなくて困る」とおっしゃいます。でも子どもがいつもやる気がないかというと、1日を見てたらとてもやる気がある時があるんです。友達と遊んでいる時とか、クラブ活動をしている時とか、ゲームをやっている時とか。だからそれはやる気がないわけではなくて、そのことに関してスイッチがオフになっているのだと思うんです。私は子どもにはみんなやる気があって、それが環境によってオンになったりオフになったりするのではないかと感じています。

#いかに子どものスイッチを入れるか、それが問題だ。

 
○松井氏(アルプス技研:技術者の人材派遣会社)
我々は結構、とんでもない勘違いをしているんじゃないかと思うんです。たとえば自分がプライドだと思っていたのがうぬぼれだったり、自分は自信があると思っているのが過信だったり。あるいは人に親切にしている、優しくしていると言っているのが実は甘やかしていることだったり、褒めていると言いながらも、実はお世辞やおだてだったり。そのあたりのことをきちんと理解するというのもとても大事なことではないかと思います。

 
○中村氏(アドバンストマテリアルジャパン:レアメタル専門商社)
(村上氏:ミーティングに来る人に決定権がなかったりするんですよね。)
日本人同士ならいいですが、外国人と交渉する時にはみんな、裏に回って笑っています。冷笑されていますし、馬鹿にされています。だって大企業の部長さんが交渉に行くわけですよ。それなのに、では決めましょうという場で、「いや、ちょっと待ってください、日本に戻って役員会にかけたうえで・・・」なんて言い出すわけです。相手にはそんな時間はないんですよ。そういった意味では日本は特別の存在ですね。だからネゴが弱い。その場でやるから、フェイス・トウ・フェイスで決めるからビジネスなんです。

会議をやって新しいアイデアを出した時に、みんなが賛成するアイデアはほとんど失敗します。どうしてかというと、賛成のできるアイデアというのは、どこかに出ているんですね。新聞でちょっと読んだとか。だからイエスと言える。ところが全く新しいアイデアを誰かが出してきた時には、自分のイメージの中にないわけですから、拒否反応から入るものなんです。頭のいい人であればある程、拒否します。危険を感じるんでしょうね。

外交の世界で中国が何をしているかというと、まず胡錦濤さんがアフリカ諸国を回ってますよね。温家宝さんがそのあとに行きます。それから国家規模で援助を決めて、その見返りに資源の開発をやりましょうよ、と。技術者も出すし、お金も出す。さらに労働者も出すんです。そして出てくる資源は全部中国に持って帰る。そういったことを徹底してやっています。我々日本は、まねはしなくてもいいけれども、その心意気くらいは勉強するべきですね。

 
○秋元氏(平成建設)
(解説:平成建設の職人はマルチプレイヤーでもある。賃貸マンションの建設現場で作業をするための足場を組むのは本来ならとび職の仕事。巨大ショベルカーを操るのは専門の土木職員の仕事。その他、コンクリートを流し込む打設作業、そのあとに表面をならす左官業、そして事務所に戻ればコンピューターで図面を作る・・・これらを一人でこなすのだ。)

#おもしろそう。仕事を選び直すとしたらこんなのがいい。

(村上氏:昔、小説の取材で大工さんの現場に行ったことがあるのですが、最初は棟梁のところに見習いで入って、それこそ住み込みで十年耐えたら何とか一人前になるという世界なんですね。)

#一人前になるまでに十年かかる、今いる部署の設計業務もそんな感じ。

 
○岡本氏(鍋屋バイテック:主力製品はプーリー)
(解説:鍋屋の技術の源は鋳物だ。・・・鍋屋の創業は室町時代の1560年に遡る。安土桃山時代にはあ千利休に茶釜を納めたという。その技術は450年も受け継がれてきた。)

(解説:岡本が目指したのは工場ではなく、「工園」。山を切り開き、5万5千坪の敷地を確保。工場を芝生で囲み、どこからでも緑が見えるようにした。投じた資金は100億円。30年かけて理想の工場を完成させた。/宇宙船のような建物の中には、ジャグジーやフィットネスクラブ、プール、バーまである。社員の服装も、夏はポロシャツ、秋、冬はトレーナーにブルゾン。)

(村上氏:清潔にするというのは、精神を鼓舞するらしいですね。軍隊のマニュアルか何かに書いてあるんですよ。例えば敵地に潜入してゲリラと戦うような場合、ジャングルとかを転戦するから汚れますよね。そうすると、必ず身体を洗え、と。足だけでいいから洗えというんです。衣服が汚れてきたり、不潔になってくると、人間としてのプライドがなくなっていき、不注意から敵にやられてしまう。清潔にするという行為が集中力を生んだりするそうです。)

 
○堀之内氏(生活創庫)
(解説:数々の仕事を転々とし、起業と倒産を繰り返す。東京へ上京途中、資金が底をつき、ホームレス生活を送る。壊れた電化製品を修理してホームレス仲間に売ったことがきっかけで、リサイクルで生計を立てるようになる。・・・現在は、直営・フランチャイズ200店舗以上を持つ総合リサイクルショップ。)

(村上氏:環境を守ると儲かるというようなモチベーションも示さないとムーブメントになっていかないし、自己満足になってしまうと僕は思うんです。)
おっしゃる通りです。利益が出ないと続かないんですよ。国が毎年何億円もお金をくれるのならいいけれど、そんなことないわけですから。いくらきれいごと言ったところで、そこに利益が出ないと、お遊びにすぎなくなってしまいます。

 
○若林氏(ハードロック工業)
(解説:淡路と神戸をつなぐ世界一長い吊り橋、明石海峡大橋。ロープに設置された542個の照明器具、すべてを留めているのが、若林克彦の発明したハードロックナットだ。世界で最も安全な電車、新幹線。一つの新幹線でおよそ2万個のハードロックナットが使われている。)

(村上氏:事故や食の安全などの問題があるたびに、行政や企業が批判されるわけですが、僕は今の日本社会では、安全にはコストがかかるという認識が欠けているような気がするんです。安全にはお金がかかるという認識が共有されれば、ハードロックナットはもっと売れるんじゃないですか。)

 
○横石氏(いろどり:つまものの市場でシェア8割)
(解説:徳島市から車で山間部へ山道を1時間。徳島県の中央に位置する上勝町。・・・現在、上勝町では200軒近い農家のお年寄りが様々な種類の葉っぱを生産している。紅葉に南天、柿の葉・・・およそ320種類の葉っぱを、いろどりという上勝町の統一ブランドで全国に販売している。東京の高級和食店には、前日に上勝町を出発した葉っぱが届いていた。日本料理に使われているさまざまな葉っぱ。これらは〝つまもの〟と呼ばれ、古くからの料理の彩りとして添えられてきた。)

#上勝町はHG/PGの人にはなじみある勝浦エリアのさらに上流側の町。

 
○大山氏(日本理化学工業:粉が出にくく体に優しいダストレスチョークのメーカー)
(解説:社員は74人。このうち54人が知的障がい者。しかも重度の人が半数以上を占めている。障がい者の雇用を積極的に進める企業の中でも、草分け的存在として知られている。)

「東京には施設が少ないから就職できないと地方の施設に入ることになってしまう。親子離れ離れになるんです。しかも一生、働くことを知らないでこの世を去ってしまう人になるので、一度働く経験だけさせてください」と言われてしまったので、断ることができませんでした。「ではちょっとだけですよ」と念をおして、実習を受け入れたのがスタートでした。
(2週間の研修を経て、社員の方々が「彼女たちを雇いましょう」と押しかけてきたそうですが、なぜ、そのようなことを言ったんでしょう。)
仕事の能率云々はともかくとして、一生懸命に取り組んでいる姿を見ていると、周りが手を差し伸べて応援したくなるような雰囲気があったんです。また、ちょうど自分の娘みたいな年齢でもあるから、女性社員たちが、「たった二人なのだから、私たちが面倒を見ますから、雇ってあげてください」と言ってくれたんです。

お坊さんに「人間の究極の幸せは四つですよ。一つ目は愛されること。二つ目が褒められること。三つ目が人の役に立つこと。四つ目が人に必要とされることですよ。大山さん、仕事で働いているということは、まさに褒められたり、役に立ったりすることでしょう。「君が来てくれないと困るよ」と声をかけているでしょう。幸せの中の三つは働いてこそ得られることなんですよ」と言われました。「だから彼らはいくら上手に言葉で言えないとしても、人間の幸せというのをそれぞれ求めているんですよ。働く幸せというのを彼らは感じているんですよ」と言われたことで、福祉施設にいるよりも起業で働く方がそういう人たちを幸せにしてあげられるんだということがわかりました。それが障がい者の雇用にも、もっと一生懸命頑張らないといけないなと思ったきっかけでした。
(村上氏:そのお坊さんの言葉は、決して知的障がい者だけにあてはまるものではなくて、人間にとって普遍的なことですよね。)

#いい話だし、えらい社長だ。

 
○平本氏(メガネ21)
(解説:ボーナス400万円、500万円は当たり前。)
(村上氏:2004年は売上高85億円で経常利益5万円ですよ。普通こういう会社は潰れたりするものですが、21は利益が出たら社員に還元してしまう。)

 
「・・・1」は10点
「・・・2」は9点
「・・・3」は9点
最初は10点でも、その後は新鮮味がなくなって9点。
でもこの「・・・4」は、中村氏から速水氏の6名が含まれる「Ⅳ 量から質への転換」という章がとてもよく、この章だけでも10点の価値あり。

評価:10点

 

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