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2011年9月16日 (金)

原発のウソ

Photo 『原発のウソ』 小出裕章

 扶桑社新書 2011年6月刊

これを読めば、原発は0へ、という考え方になるだろう。

以下、抜書き。

 
○チェルノブイリ事故後、放射能の拡散を防ぐために投入された人員は膨大な数にのぼりました。事故後数年にわたって、動員された「リクビダートル」(清掃人)と呼ばれる軍人・退役軍人・労働者たちは、累計で60万人に及びます。/彼らが猛烈な被曝をしながらボロボロに崩れた4号炉を「石棺」で覆ってくれたことによって、さらに大量の放射能が出る事態は防がれました。しかし、この石棺もすでに25年経ってあちこちに損傷が生じており、外側にもっと大きなシェルターを作ることになっています。まだ事故処理は終わっていないのです。

 
○・・・原子力発電をやればやっただけ、原発を建てれば建てただけ、電力会社は収入を増やすことができる。とにかく巨費を投じれば投じるほど電力会社が儲かるシステムです。そのため、夢中になってこれまで原子力を推進してきました。/当然ですが、・・・電気料金に上乗せされるので、私たちの支払う分はどんどん高くなっていきます。そうこうしているうちに、今や日本の電気料金は世界一高くなってしまいました。

 
○今日の標準的な原子力発電所の発電量は100万kWですが、それは電気になった部分だけの話です。実は、原子炉の中では全部で300万kWもの熱が生み出されています。そのうち、わずか3分の1だけを電気に変えて残りの3分の2は捨てているのです。/どこに捨てているのかというと、海です。海水を原子力発電所の中に引き込んできて、それを温めてまた海に戻すことで原子炉の熱を捨てています。どのくらいの量かというと、1秒間に約70トン。1秒間に70トンの海水を引き込んで、その温度を7℃上げ、また海に戻しています。/・・・川の流量は全部で(1年間に)約4000億トンです。/・・・では、日本には現在54基の原子力発電所がありますが、それらから流れてくる7℃温かい水がどれくらいあるかというと、約1000億トンです。/これで「環境に何の影響もない」というほうが、むしろおかしいと思いませんか。現に日本近海は異常な温かさになっているのです。温暖化が地球環境に悪いというなら、このような「海温め装置」こそ、真っ先に廃止しなくてはいけない。

 
○世間では「エネルギー危機」が叫ばれ、今にもエネルギー資源が枯渇するように宣伝されていますが、石炭を使い切るまでには1000年かかります。・・・/一方、多くの人たちが「未来のエネルギー」との幻想を抱いているウランは、利用できるエネルギー量換算で石油の数分の一、石炭に比べれば数十分の一しか地球上に存在していません。石油よりかなり前にウランが枯渇してしまうことはもはや明らかです。「化石燃料が枯渇するから未来のエネルギーは原子力しかない」という宣伝は、全くの誤りでした。

 
字が大きめで行間も広くてすぐに読み終われる。内容も難しくない。
1人でも多くの人に読んでもらいたい。

 
評価:9点

 

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