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2013年12月10日 (火)

一刀斎夢録

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『一刀斎夢録(上・下)』 浅田次郎

 文春文庫 単行本は2011年刊

浅田次郎の新撰組三部作完結篇。
主人公は新撰組副長助勤三番隊長、斎藤一。

新撰組が活躍する幕末から、幕末を生き残った斎藤一も参戦した西南戦争までが舞台。新撰組は言わずと知れた明治維新の負け組。

今年の大河ドラマの前半も負け組の会津が舞台だった。斎藤一も登場しており、ドラゴンアッシュの降谷建志がかっこよく演じていた。

そのかっこよかった斎藤一とは違った、かなりハードボイルド寄りの斎藤一像だった。浅田節がたまら~ん。


以下、抜書き。

○勝負は一瞬だが、その勝負の場に至るまでのかけひきが長い。すなわち最後に物を言うのは腕前であるにせよ、その腕前を十全に発揮するためには、勘と知恵と胆力とをすりへるほどに使うて、かけひきをせねばならぬ。/剣の技倆とは、そうしたすべての力の綜合をいう。いかに腕がたとうと、鈍感や馬鹿や臆病者は死ぬ。

○負け戦など思い出したくもなし語りたくもなし、放っておくうちに記憶も薄まって、いつしか遠い昔話に思えてくる。そうでなければ長い人生、苦しゅうて仕様があるまいて。/・・・/男子の労苦は負けだけじゃ。勝ち負けのほかに、こだわるべきものは何もない。ゆえに、負けて生き延びた記憶は生涯おのれを苛む。

○力を蓄え、技を身につけるために最も肝要なるものとは何じゃ。そう訊ぬれば百人が百人、努力精進にほかならぬと答えるであろう。しかし、わしはそうとは思わぬ。/努力精進よりも肝要なものがある。それは、渇えじゃ。いつかかくありたしと願いながらも、努力精進すらままならぬ貧乏人はひたすら飢え渇するほかはあるまい。その拠るところも捉むものもない飢渇こそが、やがて実力となり技となる。/持たざる者ほど、持っておるのだ。/水も肥も与えられずに、それでも咲かんと欲する花は、雨を力とし、風すらも肥とする。そうしてついに咲いた花は美しい。

○口当たりはちと堅いが、会津の酒は飲むほどに酔うほどに甘うなる。


評価:10点

 

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