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2014年7月27日 (日)

イノベーションのジレンマ

Photo『イノベーションのジレンマ』

クレイトン・クリステンセン 翔泳社 2001年刊

うちの部署の部長の推薦図書。
難しかった。。

著者はハーバードビジネススクールの教授。
その講義を一般向けにわかりやすく解説した本、となっているが、難しかった。。

組織のマネジメントを仕事にしている人向けだが、そうでなくても参考にはなった。キーワードである「破壊的イノベーション」は、うちの部署のやるべきことと密接に関係あるし。


以下、抜書き。#は私のコメント。


○安定した企業が、破壊的技術に積極的に投資するのは合理的でないと判断することには、三つの根拠がある。第一に、破壊的製品のほうがシンプルで低価格、利益率も低いのが通常であること。第二に、破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に、新しい市場や小規模な市場であること。第三に、大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、通常、破壊的技術を利用した製品を求めず、また当初は使えないこと。概して、破壊的技術は、最初は市場で最も収益性の低い顧客に受け入れられる。そのため、最高の顧客の意見に耳を傾け、収益性と成長率を高める新製品を見いだすことを慣行としている企業は、破壊的技術に投資するころには、すでに手遅れである場合がほとんどだ。

#実際にそういう事例はある。手遅れでありませんように。。


○複数の製品がすべての性能指標に対する市場の需要を満たすと、製品は市況商品になる。性能の供給過剰の理論によって、コンサルタント、マネージャー、研究者は、顧客との価格交渉で折れた営業担当者から聞かされる不満を理解できるようになるだろう。「あいつらはうちの製品を、値段でしか見ていない。うちの製品のほうが他社製品よりずっとすぐれていることがわからないのか」。たしかに、市場に出回っている各社の製品には、依然として違いがあるかもしれない。しかし、特徴と機能が市場の需要を超えてしまうと、その違いは意味を失う。

#その意味を失った違いのために四苦八苦していないか、自省しないとね。


○1950年代初頭、ソニーの盛田昭夫元会長は、AT&Tが1947年に発明して特許を取得したトランジスター技術の使用権交渉のため、ニューヨーク市内の安ホテルに宿泊していた。AT&Tにはあまり交渉の意思がなく、盛田は使用権の許諾を求めて、何度も会社を訪れなければならなかった。ついにAT&Tは折れた。使用権許諾契約にサインする会合が終わったとき、AT&Tの役員の一人が、ソニーは使用権をどうするつもりなのかと盛田にたずねた。盛田は「小型ラジオをつくります」と答えた。相手は「小さいラジオなど、だれが買うのだ」と言った。「いまにわかります」と盛田は答えた。数か月後、ソニーは米国市場で、最初の携帯用トランジスター・ラジオを発売した。主流市場のラジオの主な性能指標からみれば、この初期のトランジスター・ラジオは、最悪の代物だった。当時の主流だった真空管卓上ラジオに比べて、忠実度がはるかに低く、雑音がひどかった。しかし、盛田は、大手電機メーカーのほとんどがトランジスター技術に関してとった行動とは異なり、トランジスター・ラジオが主要市場で性能競争力を持つまで研究室に閉じこもろうとせず、当時存在した技術の特性を評価する市場、携帯用パーソナル・ラジオ市場を見いだした。卓上ラジオの主力メーカーが一社も携帯用ラジオの主力メーカーにならず、その後一社残らずラジオ市場から撤退したことは、驚くにあたらない。

#ソニーの話以外にも、ホンダのスーパーカブの話、トヨタの話が出てきた。松下は出てこなかったなあ。。


○・・・インシュリンは牛や豚の成長したすい臓から抽出するため、インシュリンの純度(不純物のppm濃度)を高めることが、重要な性能向上の軌跡となった。主に、世界最大のインシュリン・メーカー、イーライ・リリーの継続的な投資と努力によって、不純物濃度は、1925年の5万ppmから、50年には1万ppm、80年には10ppmまで低下した。/こうした改良は進んだものの、動物のインシュリンは、人間のインシュリンとはわずかに異なるため、ごく低い確率だが、糖尿病患者の免疫システムに抵抗が生じることがあった。このため、イーライ・リリーは1978年、・・・を開発した。このプロジェクトは技術的には成功し、80年代初期、約10億ドルを投資したすえに、イーライ・リリーはヒューマリンというインシュリン製剤を発売した。・・・動物から抽出したインシュリンより25%高い価格に設定されたヒューマリンは、・・・。/しかし、この技術の奇跡に対する市場の反応は冷たかった。動物のインシュリンより高い価格を続けることは難しく、ヒューマリンの売り上げの伸びは期待外れなほど鈍かった。イーライ・リリーのある研究者は「いま思うと、市場は豚のインシュリンにそれほど不満があったわけではない。それどころか、十分満足していたのだ」と言う。イーライ・リリーは、製品の純度に対する市場の需要以上に、莫大な資金と組織的エネルギーをつぎ込んだ。・・・/・・・イーライ・リリーのマーケティング担当者が意見を求める医師のうち、特に信頼できるのはだれだっただろうか。この事業の最大の顧客、糖尿病治療に重点を置いている内分泌科医だろう。これらの専門家の関心を最も引きそうなのは、どのような患者だろうか。病状が進んで治りにくい患者であり、特にインシュリン抵抗の顕著な患者だろう。それでは、これらの主要顧客は、イーライ・リリーのマーケティング担当者に次世代のインシュリン製品をどう改良するべきかと聞かれたとき、どのように答えるだろうか。主要顧客の力と影響力は、企業の製品開発の軌跡が主流市場の需要を超えてしまう最大の理由である。

#同じ轍を踏まないように気を付けよう。専門家の先生には盲目的に従いがちだからな。


○市場に関する情報で役に立つのは、実際に市場に踏み込み、試験と検査、試行と錯誤を繰り返し、実際に代金を払う現実の人びとに現実の製品を売ることによって得た情報だけである。政府の規制は、市場の発見という問題を解決するというより、歪める可能性が高い。・・・補助金をあてにしたり、経済とは関係のない・・・の規制を事業に利用しようとはせずに、みずからの知恵で生きるように方向づける。

#確かに補助金をあてにしたりするのはよくない。ビジネスチャンスではあるかもしれないが、そこに頼りすぎるのはよくない。


○企業が破壊的技術を、現在の主流顧客のニーズにむりやり合わせようとすると、ほぼまちがいなく失敗する。過去の例からみて、成功する可能性の高い方法は、現在の破壊的技術の特性を評価する新しい市場を開拓することである。破壊的技術は、技術的な挑戦ではなく、マーケティング上の挑戦ととらえる必要がある。

#マーケティング大事。


評価:7点

 

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