読書

2019年11月30日 (土)

生ける屍の死

『生ける屍の死』(上・下) 山口雅也

 光文社文庫 単行本は1989年刊

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昨年発表になった、このミス、キング・オブ・キングス1位の作品。

かなり期待して読み始めたが、ジャンルが本格推理ということもあって、そんなに、すげぇ、とは思わんかった。推理小説はそれほど好みではないので。

とても日本人離れした、奇妙奇天烈な小説で、作者の力量はすげぇとは思ったけど。

 
評価:7点

 

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2019年10月21日 (月)

国盗り物語

『国盗り物語』(一)~(四) 司馬遼太郎

 新潮文庫 単行本は昭和41年刊 

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来年の大河ドラマの予習完了。予習と言っても再読なので復習か?
30数年ぶりに再読したが、おもしろすぎた~

ちなみに来年の大河ドラマの主人公は明智光秀。

一方、この作品の構成は、
(一)斎藤道三 前編 (二)斎藤道三 後編
(三)織田信長 前編 (四)織田信長 後編

明智光秀は主人公ではないが、光秀を語るには織田信長だし、信長を語るには斎藤道三も必要。

来年の大河ドラマ、楽しみ~

 
評価:10点

 

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2019年9月28日 (土)

熱海の奇跡

『熱海の奇跡-いかにして活気を取り戻したのか-』 市来広一郎

 東洋経済新報社 2018年刊

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内容は帯に書かれているとおり。
(代打で)受講したセミナーの事前課題図書だったので読んだ。

そのセミナーでは著者のレクチャーもあり、実際に熱海での現地視察もあり、さらに熱海市長のレクチャーもあり、なかなかおもしろかった。さらに海沿いのホテルで1泊して翌土曜は別のプログラムが用意されていたのだが、金曜のみの申込みだったので、ホテルでの夕食の途中で抜けて帰ってきた。少人数での合宿セミナーだったので、どうせならフルで参加して他のメンバーともっと飲みたかった。。

熱海銀座視察風景
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以下、抜書き。#は私のコメント。

〇・・補助金に頼っていると、まちづくりは悪循環に陥る危険がある・・。/補助金をもらって事業をする。補助金を使うと、行政が決めた制約の中でしか事業ができない。制約があると発想が縛られて面白みのない事業になりやすいし、上手くいかなかったときに、臨機応変に人、物、金を集めることができないので対応もしづらい。すると、ますます補助金頼みになって、事業の制約がもっと厳しくなっていく・・・。/こうして事業が行き詰まっていき、補助金が打ち切られると、潰れてしまうわけです。

#これについては熱海市長も、補助金を出すような施策はしない、と言われていた。単年度予算なので続かない、というのが理由だったが、民間と行政の方向性の一致が見られた事例だった。

 
〇・・宿を街に点在させよう。一つ一つの宿は小さくていい。空き家や辞めてしまった小さな温泉旅館などを活用して、それをネットワークにつなぎ、多様な滞在の仕方を生み出そう。そして、それと温泉施設や飲食店もつなぎながら、まるで街全体が宿のような感覚で泊まれる街をつくろう。そこには短期で泊まる場もあれば、より中長期で滞在することもできる、気に入ったら住むこともできる、そんな滞在のあり方をつくりだそう。

#この取り組みはおもしろそう。丹那に飛びに行って、熱海で泊まる、というのもいいかもしれない。

 
評価:(著者にも会えたことだし)8点

 

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2019年8月24日 (土)

蜜蜂と遠雷

『蜜蜂と遠雷』(上・下) 恩田陸

 幻冬舎文庫 単行本は2016年刊

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直木賞、本屋大賞のダブル受賞作。

義母が読み、おもしろかったで、ということでうちの奥さんが読み、おもしろかったで、ということで回ってきた。さらに、職場の友人が、恩田陸は以前から読んでてその中でも最高、と言ってたので、読んだ。恩田陸は初めて。

うちの奥さん曰く、マンガみたい、というようにまさしくそんな感じでマンガみたいに読みやすくてスラスラ読めた。ピアノコンクールが舞台なのでピアノ曲に詳しい人が読めば、頭の中で音楽が鳴りながら読み進められるんだろうけど、私はまったく詳しくないのでそこが残念。映画化されるようだが、ここに出てくる数多のピアノ曲は聴きたいなあと思う。

おもしろかったけど、軽いなあ。

評価:7点

 

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2019年4月29日 (月)

日本国紀

『日本国紀』 百田尚樹

 幻冬舎 2018年11月刊

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賛否両論、いろいろと取り沙汰されており、歴史好きとしてはとりあえず読んでみることにした。

百田のおっさんは問題発言が多いが、最初に読んだ「永遠の0」がおもしろかったので第一印象はいい。この歴史教科書みたいな本もたいへん読みやすかった。ただし、おっさんの偏見が随所に散りばめられていて、どこまで本当のことか、どこから偏見なのか、よくわからん。話半分で飲み込めばいいのかな?

 
以下、久しぶりにメモとしての抜書き。#は私のコメント。

 
○608年、聖徳太子は三度目の遣隋使を派遣した。・・・(手紙に)日本の天子を「王」と書くと、自ら冊封を認めることになる。そこで太子は「天皇」という言葉を編み出した。・・・/太子は「天皇」という言葉を用いることによって、中国の皇帝と対等の立場であるということを表したのだ。・・・/これが日本における「天皇」という名称の始まりとなった。それまでは「大王(おおきみ)」と呼ばれていたのが、これ以降、「天皇」という呼称に代わった。「天皇」という言葉には、日本がどこにも従属しない独立不羈の国であるという精神が込められているのである。

 
○仁徳天皇が臣下に高台から遠くを見た時のことを話した。/「民のかまどより煙がたちのぼらないのは、貧しくて炊くものがないからではないか。都がこうなら、地方は一層ひどいことだろう」/そして「向こう三年、税を免ず」という詔を発した。その日から、仁徳天皇は衣を新調せず、宮垣が崩れて、茅葺屋根が破れても修理しなかった。三年が経ったある日、天皇は高台に出ると、炊煙が盛んに立つのを見て、皇后にこう言った。/「朕はすでに富んだ。喜ばしいことだ」/すると、皇后が言った。/「宮垣が崩れ、屋根が破れているのに、どうして富んだといえるのですか」/天皇はこう答えた。/「政事は民を本としなければならない。その民が富んでいるのだから、朕も富んだことになるのだ」/その年の秋、諸国の人々から、「宮殿は破れているのに、民は冨み、道にものを置き忘れても拾っていく者もない。この時に税を献じ、宮殿を修理させていただかないと、かえって天罰を蒙ります」との申し出が次々とあった。しかし天皇はさらに三年、税を免除した。そして六年の歳月が過ぎ、やっと税を課して宮殿の修理をした。・・・/「民、うながされずして材を運び簣を負い、日夜をいとわず力を尽くして争いを作る。いまだ幾ばくを経ずして宮殿ことごとく成りぬ」/民を思う天皇に感謝した民衆が、自発的に宮殿の修繕に参じたのである。「大御心」(天皇の心)と「大御宝」(国民)という関係がこうしてできあがっていったのだろう。

#仁徳天皇陵のある堺出身なので、仁徳天皇にはなんとなく親しみがある。

 
○醍醐天皇によって大宰府に流された菅原道真は、二年後にその地で亡くなるが、「祟り」はそれから数年後に起きる。・・(数々の祟り)・・/醍醐天皇は道真の怨霊を恐れて、彼の左遷を取り消して名誉を回復させるが、祟りは収まらなかった。・・(数々の祟り)・・朝廷は道真の怨霊を鎮めるために北野天満宮を作り、そこに道真の霊を祀って、ようやく祟りは収まった。

 
○室町文化の特色としてまず挙げられるのは、「わび・さび」である。/「わび」(侘び)とは、「心細く思う」「落ちぶれた生活を送る」「困って嘆願する」などの意味を持つ「わぶ」という動詞の名詞形だ。本来良くない意味を持つこの言葉が、中世の頃から「貧粗・不足の中に心の充足を見出そうとする意識」へと変化し、室町時代の茶の文化などと結びついて、独特の美意識が形成された。/一方、「さび」(寂び、あるいは然び)は、「さびれる」を意味する動詞「さぶ」の名詞形である。本来は「時間の経過とともにものが劣化する」という意味の言葉だったが(金属の錆もそこから来ている)、室町の頃から、「閑寂さの中に、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」という意味を持つようになった。これもまた日本独特の美意識である。

・・・住宅も質素なものとなり、それらは今日の和風建築のもととなった。庭も自然の地形を生かしたものとなり、また枯山水と呼ばれる簡素で象徴的な庭園も作られた。枯山水は水のない庭のことで、池や水を使わずに石や砂などにより山水の風景を表現する日本独特の庭園様式である。龍安寺の石庭や龍吟庵の東庭が有名だが、・・・

 
○・・・宣教師ルイス・フロイスの眼力は見事というほかない。ついでながら、明智光秀評も紹介しておこう。/「裏切りや密会を好み、刑罰を科するに残酷。忍耐力に富んでおり、謀略の達人」

#来年の大河の主人公なのに、これでは身も蓋もない。。

 
○ペリーが兵隊を乗せた小舟を下ろし、江戸湾の水深を測るという行動に出た時、忘備にあたっていた川越藩兵はそれを阻止しようとしたが、幕府から「軽挙妄動を慎め」と命じられていた浦賀奉行によって押しとどめられた。自国領内、しかも江戸城のすぐ目の前の海を外国人が堂々と測量することを黙認した幕府の態度は腰抜けとしかいいようがない。ただこれは、現代の日本で起きていること、たとえば尖閣諸島の沖で、中華人民共和国の海警局の船の跋扈を看過している状況と似たことのようにも見える。

#歴史の記述に付帯して、こんなコラムが山のようにある。

 
評価:9点

ホントかウソか、よくわからないところがたくさんあるが、読んでおいて損はないと思う。歴史の勉強になる。

 

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2019年3月22日 (金)

海街diary

『海街diary』(全9巻)
 
 吉田秋生 小学館

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3年前に7巻まで読んでて、ちょっと前に完結したようなので読了した。
 
話を思い出すために7巻から再読したけど、全然覚えてなくてめっちゃ泣かされた。。

とてもいい作品だった。
 
評価:10点


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2019年2月23日 (土)

七つの会議

81pa9nsjdol『七つの会議』 池井戸潤

 集英社文庫 単行本は2012年11月刊

映画化されたので、映画を観る前に読んでおいた。小説の映像化は原作を越えることはない、と思ってるので。

原作の評価が高いので、先に映像を観てしまうと原作を読む楽しみが減ってしまうのがもったいないし。

池井戸潤得意のサラリーマンもの。
「下町ロケット」シリーズよりは名作「空飛ぶタイヤ」に似ている。リコール隠しがテーマだし。「下町ロケット」シリーズもおもしろいが、2作目以降はどうもドラマの脚本を読んでるようで。


舞台となる中堅メーカーの親会社が大手総合電機メーカーのソニック。これは、モデルがソニーか?パナソニックか?

その中堅メーカーが住宅設備関連も取り扱っている東京建電。ということなら、モデルはパナソニックとなる。ということで馴染み深く(?)読み進めることができた。

8つの短編で構成されている長編。短編の1つ1つに主役がいてそれぞれおもしろく、1つの長編としてもおもしろい。そしてリコール隠しの真実は最後までわからない、という構成力はさすが。

映画もそのうち観てみたい。キャスティングが良さげだし。


評価:10点

 

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2018年12月27日 (木)

このミス キング・オブ・キングス

毎年、発表を楽しみにしている、このミスベストテン。
今年は、「このミステリーがすごい」30周年記念企画、というのがあった。

1988年~2018年の30年間の歴代1位作品と10周年&20周年のベスト・オブ・ベスト1位作品を対象とした、キング・オブ・キングス!

1.生ける屍の死                 山口雅也
2.64                        横山秀夫
3.容疑者Xの献身               東野圭吾
4.火車                      宮部みゆき
5.新宿鮫                     大沢在昌
6.私が殺した少女               原尞
7.葉桜の季節に君を想うということ     歌野晶午
8.ゴールデンスランバー            伊坂幸太郎
9.奇術探偵 曾我佳城全集          泡坂妻夫
10.独白するユニバーサル横メルカトル  平山夢明

既読なのは、2、3、4、5、8、の5作品。
この5作品はすべて10点付けた。

1位を読まなくては!


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2018年10月12日 (金)

下町ロケット ヤタガラス

Photo_2『下町ロケット ヤタガラス』

池井戸潤 小学館 2018年10月刊

「・・・ ゴースト」の続編。

相変わらず読みやすいしおもしろい。

カバー絵にあるとおり、今回のテーマは農業。日本の農業が抱える課題をもっと深掘りしてほしかった、とも思うが、そうなると読みやすさが薄れるかな。

ドラマが始まる日曜までに読み終えて良かった。佃社長をはじめ、登場人物をそれぞれの役者の顔を思い描きながら読み進めることになってしまい、読書のおもしろさが減じてしまうが、しょうがない、ドラマもおもしろいから。


評価:8点

 

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2018年9月24日 (月)

羽州街道、佐渡のみち

10_2『羽州街道、佐渡のみち-街道をゆく10-』

司馬遼太郎 朝日文庫 単行本は1978年刊

かなり昔に半分だけ読んで放置してたのを見つけたので、残りの半分を読んだ。

おそらく、山形へ行く前に半分読んで、佐渡へ行くときに残りを読もうと思って放置してたんだろうけど、行く予定もないのでとりあえず読んでおいた。

羽州街道の方の記憶はまったくなく、ページを折り曲げたりの目印もないので、そっちの感想は省略。

佐渡のみちについて、以下一ヶ所抜書き。

「江戸幕府では、勘定畑(長官は勘定奉行)が、もっとも優秀な人材をあつめるしきたりになっている。それが明治政府の大蔵省にひきつがれ、こんにちなお、各省を超越して人材をあつめる優先権をこの省が持っているというのはおもしろい。・・・江戸幕府が二百数十年もつづいたという理由の多くは、勘定機構の人材がそれをささえたということさえ言える。この勘定機構から、幕府直轄領の代官や遠国奉行などがえらばれる。」

佐渡奉行の話から上記の話が出てきたが、大蔵官僚は江戸時代から優秀だったということね。大蔵大臣は別にして。


評価:7点(後半のみ)

 

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