読書

2025年7月 2日 (水)

孟夏の太陽

『孟夏の太陽』 宮城谷昌光

 文春文庫 単行本は1991年刊

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時代は春秋時代、舞台は晋。
晋の重臣を代々務めた趙一族を描いた4編からなる連作短編。

この晋が後に趙・韓・魏の独立した三つの国家となり、春秋時代が戦国時代へと移り、秦の中華統一までつながってゆく。その一つの国となる趙家の話。

先月読んだ「沙中の回廊」が「続 重耳」という位置付けなら、これは「続々 重耳」という感じ。短編集ではあるが、おもしろかった。

重耳シリーズは一旦置いて、次は別の国の話を読んでみよう。楽しみ~

 
評価:8点

 

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2025年6月21日 (土)

沙中の回廊

『沙中の回廊』(上・下) 宮城谷昌光

 文春文庫 単行本は2001年刊

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先月読んだ「重耳」に出てくる人物を主人公にした話。
でも、今月読んだ「介子推」とは時代がズレて、「続 重耳」という感じで、重耳後の晋が主な舞台。

主人公は士会。
『春秋左氏伝』は「晋の歴史上、士会こそが最高の宰相である」と士会を絶賛している。
ちなみに春秋左氏伝とは、歴史書『春秋』の代表的な注釈書の1つ。

紀元前600年くらいの話なのに、武将や政治家たちがとてもいきいきと描かれており、とってもおもしろかった。宮城谷氏の想像力、おそるべし。

次に読む予定として、ちょっと関係する作品を見つけた、楽しみ~

 
評価:10点

 

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2025年6月 2日 (月)

介子推

『介子推』 宮城谷昌光

 講談社文庫 単行本は1995年刊

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先月読んだ「重耳」に出てくる人物を主人公にした話。
いろいろ評価はあるけど、「重耳」を読んだら別に読まんでもええかな、という感想だった。

次もまた「重耳」関連のものを読もう、楽しみ~

 
評価:7点

 

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2025年5月21日 (水)

重耳

『重耳』(全三巻) 宮城谷昌光

 講談社文庫 単行本は1993年刊

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古代中国の春秋時代の名君を描いた歴史小説。
春秋時代は戦国時代よりも前。

重耳が中国全土の覇者となったのは19年の放浪の末の晩年、大器晩成タイプ。
それが描かれるのは下巻の最後の方であり、上巻では重耳の祖父、中巻では重耳の父がメインで描かれている。

紀元前の時代だけど、みんな長生きするし、老齢で活躍するし、すごいわ中国。

次はこの作品からのスピンオフものを読もう、楽しみ~

 
評価:9点

 

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2025年4月 6日 (日)

奇貨居くべし

『奇貨居くべし』(全五巻) 宮城谷昌光

 中公文庫 単行本は2001年刊

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漫画「キングダム」では政(秦の始皇帝)のライバルとして前半のラスボス的存在だった呂不韋が主人公。
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キングダムでは敵役だが、ここではかなりの名君扱い。こっちが史実に近いんだろう。

「奇貨居くべし」とはgoogleのAIによれば「めずらしい機会や品物を逃さず、うまく利用すべきであるという意味のことわざ」とのこと。ここでいう奇貨として呂不韋が助けたのは後の荘襄王であり、その息子である政とは関係がうまくいかなかった。ここはキングダムでも同じ。

キングダムファンとしては呂不韋と言えば秦の丞相というイメージだが、荘襄王の人質時代であった少年と出会ったのは四巻の最後の方であり、それまでは秦の人ではなく、またキングダムにも登場するお馴染みの人物が出てくるのは五巻の後半だった。それでも名前の知った人物が出てくるとうれしい。キングダムを最初から再読したくなった。

 
評価:9点

 

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2025年2月19日 (水)

孟嘗君

『孟嘗君』(全五巻) 宮城谷昌光

 講談社文庫 単行本は1995年刊

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古代中国の戦国時代の名君を描いた歴史小説。
漫画キングダムの舞台である秦の始皇帝の時代よりも前の時代。
先月読んだ「楽毅」将軍がリスペクトしてた人物。

「楽毅」のように歴史上の人物の活躍を描いた歴史小説かと思いきや、孟嘗君が歴史上に登場するのはなんと最終5巻の途中。全五巻の前半は孟嘗君の育ての親である白圭という大商人を描いていてびっくり。でも、とてもおもしろくて、歴史小説というよりもエンタメ冒険活劇のようだった。

孫氏の兵法で有名な孫臏も重要な登場人物であり、武田信玄の旗指物で有名な風林火山の一節も出てきて、歴史好きにとっては大いに満喫できた。

宮城谷氏による中国歴史ものマイブームは終わりそうにない。

 
評価:10点

 

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2025年2月 2日 (日)

『岳』全18巻 石塚真一

 小学館 2003年~2012年連載

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2008年マンガ大賞作品。山岳救助の話。

1話完結タイプでよくネタが尽きないなあ、と思っていたら15巻から怒涛の展開だった。

北アルプスを舞台にしており、いくつか登ったこともあるし親近感を持ちながら読めた。ただし、山岳遭難救助の話なので、そこは親近感を持ってはダメで、安全に登山しなくっちゃ、という想いを強く持たさせられた。

 
評価:10点

 

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2025年1月25日 (土)

楽毅

『楽毅』(全四巻) 宮城谷昌光

 新潮文庫 単行本は1999年刊

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古代中国の戦国時代の武将を描いた歴史小説。
漫画キングダムの舞台である秦の始皇帝の時代よりも前の時代。

キングダムには以下の1コマだけ登場
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とても読みやすくておもしろかったけど、この時代は国が7つも8つもあり、それぞれの王が登場するし、その王が代替わりするし、さらに楽毅はそれ以前の歴史上の名君から学んだりしてるので、よく似た国名や人名がたくさん出てきて、すべてを追いきるのは無理。

でも、おもしろかったので、次も宮城谷氏の中国歴史ものを読む予定。
マイブームになりそう~

 
評価:9点

 

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2024年11月21日 (木)

推しの子

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全16巻、まだ16巻は発売されてないけど。
ほとんどスマホのアプリで無料で読んだ。便利な世の中になったね~

話題作だけあって、おもしろかった!

ヤングジャンプで連載されてたけど、絵が少女漫画で苦手。
登場人物の区別が怪しいながらも読み切った。

アニメとか実写版とか、機会があればチェックしよう。

 
評価:8点

 

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2024年11月20日 (水)

高熱隧道

『高熱隧道』 吉村昭

 新潮文庫 単行本は昭和42年刊

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隧道とはトンネルのこと。黒部第三発電所を造るためのトンネル工事の話。
表紙画像には付いてないけど、帯には「工事犠牲者300名、岩盤温度166度」と書かれており、その単語から想像されるような凄い、凄惨な話。

この夏、劔岳に登った際、立山黒部アルペンルートを利用し黒部ダムを通った話をしたら、マキさんから薦められた本。

岩盤の高熱が凄い、というだけではなく、泡雪崩が凄い、とにかく凄い。
これは知らなかった。

吉村昭を読んだのは「三陸海岸大津波」に続いて2作目だけど、きっちり取材したうえでわかりやすく物語にしており、いろいろと読むべき本がある気がする。

 
評価:9点

 

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